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東京五輪】トーナメント敗退でも実戦三昧?強化に国際大会が求められる理由

2020-11-01 13:25:47

 プロボクシング界では井上尚弥選手(元・高校5冠王、ロンドン・オリンピック代表候補)がその圧倒的な強さを米国のリングでアピールしたことが話題を集めていますが、オリンピックを目指す全日本代表たちにとっても、海外遠征での試合出場には大きな価値があります。ローカルな国際大会ならば、3分3ラウンドを平均3、4試合。主要な大会でも5試合前後を行うことに、どんな収穫があるのか。具体的に観てみたいと思います。

 外国での国際大会に行くためには、国際空港から飛行機で移動し、現地での調整も日本で行うものとは、食事から異なり、時差もあります。また、今年3月に行われた東京オリンピックのアジア・オセアニア予選では、開催国ヨルダンの政府が、新型コロナウイルス対策として日本を含めた諸外国からの入国を規制する可能性が浮上したため、出場選手たちは急きょ、予定より早く現地に向かうことになりました。こうした予定外の事態も、後になれば貴重な経験になります。
 もう一つ重要であるのが、現地での実戦です。インターネット中継などでは、それはトーナメントの公式試合のみに思えるかも知れませんが、国際大会の出場者たちは、実は途中で敗退した選手同士でも、ウォーミングアップ会場や近所のボクシング施設を利用して、精力的にスパーリングで実戦感覚を養っているのです。
 国際大会では高確率でウォーミングアップ会場にもリングが設けられていますが、経験豊富なコーチたちは、それがなくても臨機応変にスパーリングを実施します。
 先月末、フランスで行われた『アレクシス・バスティン国際トーナメント』では、アジアでも新型コロナウイルス被害の特に顕著なインドのボクシングチームが、ヨーロッパ圏内での隔離期間を踏まえる形で大会に出場しました。
 ウイルス対策として、世界中で設けらているこの隔離期間に大きなデメリットを感じ、外国遠征を見送っている国が大半ですが、逆を言えば、インドがそのデメリットを受け入れてでもヨーロッパに向かったのには、国際大会の出場にこうした貴重性を感じているからです。
 2020年、まだまだ難しい強化スケジューリングが続きます!

(大陸予選で敗退後、キルギスの代表とスパーをする堤駿斗)
(梅村錬は出血に注意しながらヘッドギアなしで実戦に臨んだ)

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