AIBA(国際ボクシング協会)は、フランスで5月27日、約140の加盟国で軍人スポーツを管理しているCISM(国際軍人スポーツ評議会)との協力協定を締結させ、「ここに将来の大きな計画がある」と約束しました。
1948年に設立されたCISMは、IOC(国際オリンピック委員会)に次ぐ世界で2番目に大きなスポーツ組織で、初期から「かつて戦場であった敵兵かもしれない相手と、スポーツで再会する」という平和を目指す理念がありました。両組織は今後、『軍人ボクシング・アカデミー』として、発展途上国への支援を目的としたボクシング合宿所を設ける意向を述べました。ヒューマニズムを育むためのボクシング博物館の設立も予定されます。
CISMのエルヴェ・ピッチリーロ会長は、今回の締結を「世界の軍社会にとって歴史的な瞬間です」と感謝し、ボクシングについては「訓練として兵士の強化に役立ち、若い世代に大きな人気もある。若い世代をスポーツに巻き込むことは人類の平和につながります」とその価値を説明しました。
一方でAIBAのウマル・クレムレフ会長は「私たちもピッチリーロ会長の価値観を完全に共有している。軍に関するボクシング・トーナメントを開き、それを通じて食糧やスポーツ用品を難民に提供したい」と貢献に意欲を示しました。
今年はモスクワ(ロシア)で第58回世界軍人選手権が開催される予定です。
(AIBA会長とCISM会長)