(開催国枠を選出するための会議)
IOC(国際オリンピック委員会)への東京オリンピック・ボクシング開催国枠の報告期限が、今月28日に迫ったため、3月20日、東京・新宿区のジャパン・スポート・オリンピック・スクエアでは、午後2時から本連盟・強化委員会により、選手の選出が協議され、過去4年の世界選手権、アジア競技大会で勝利の実績がある男子52kg級・田中亮明(中京高校・教員)、2018年アジア競技大会・銅メダリストの男子63kg級・成松大介(自衛隊体育学校)、同オリンピック1次予選で初戦を突破した男子75kg級・森脇唯人(自衛隊体育学校)が開催国枠に決まりました。
IOCの決定により東京オリンピックでは、男子4選手、女子2選手の開催国枠が日本に保障されていました。その中で今月上旬に行われたアジア・オセアニア予選(1次予選)で男子69kg級・岡澤セオン(鹿児島県体育協会)、女子51kg級・並木月海(自衛隊体育学校)、女子57kg級・入江聖奈(日本体育大学)が予選を通過したため、残りは男子3選手となりました。今回の発表会見では岡澤、並木、入江も出席しています。
開催国枠に選ばれた3選手について、JOC(日本オリンピック委員会)の強化コーチとしてウズベキスタンから招いているウラジミール・シン氏は、次のように戦力を評価しました。
「田中選手は経験も申し分ないですし、非常にスマートであり、大変なテクニシャンですから、メダルを取る資格は、すべてそろっています。1つ足りないものがあるとすればフィジカルです。これをオリンピックまでに強化していく必要があると思います。成松選手は日本の選手団の中で最も経験豊富です。経験、テクニック、戦術、どれも大変優れてます。1つだけ足りないのは自分に対する自信と本当に細かな点です。アジア・オセアニア予選で惜敗した試合は、自分に自信を持つことで勝てたと思います。森脇選手は身長が高く、フィジカルも優れていて、大変な努力家です。課題として挙げられるのは、いわゆるテクニック型の選手、カウンター攻撃を仕掛けたり、動きでかわす選手に弱いところがある。そのためオリンピックまでに、この課題を克服すれば、メダル獲得も十分あり得ると考えています」
現在、東京オリンピックのボクシング計画では、予選スケジュールが新型コロナウイルス被害拡大で停止された状態です。予選が再開された場合、本連盟は本戦出場の決まっていない階級の代表である男子57kg級・堤駿斗(東洋大学)、男子81kg級・梅村錬(拓殖大学)、女子60kg級・濱本紗也(日本大学)、女子69kg級・鬼頭茉衣(中京大学・大学院)を世界最終予選に派遣する意向を今回の会見でご報告しました。アジア・オセアニア予選の試合内容を踏まえ、女子75kg級・津端ありさ(西埼玉中央病院)は、次の予選には派遣しない方針となりました。
開催国枠の選出について、強化委員長の本博国は、「本当に決めづらく、心苦しい作業だった。その分、世界最終予選に出る選手は、がんばって出場枠を獲得できれば、開催国枠に選ばれる以上に高い価値でメダルへ近づけると思う」と、会見でコメントしています。