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お知らせ
2024-07-04 09:00:35

14代日本ボクシング連盟 会長就任挨拶


 2024年6月23日の定時総会及び理事会にて、内田貞信前会長を引き継ぎ、第14代の日本ボクシング連盟会長に就任致しました、仲間達也です。非常に若輩の身でありながら、100年近い歴史を持つ当連盟の代表に就任し、身が引き締まる思いです。

 

 前会長と共に連盟運営に関わるようになって6年が経過しました。幸いなことに、隔年開催に格下げになった国体は、毎年開催に回復し、上部団体からの勧告処分も全て解除され、最終的に令和5年3月には、念願の公益社団法人化を達成致しました。6年間という短い時間で上部団体としっかりとした信頼関係を構築し、これらを達成できたのは、内田前会長をはじめとする一緒に運営してきた役員はもちろん、支持してくださってきた都道府県連盟や関係者の皆様、そして当連盟の活動を理解、応援してくださるスポンサー企業様の力強いサポートの結果だと感じます。本当にありがとうございます。そして、引き続きのご支援の程よろしくお願いいたします。

 

 新体制においては、次の4つの課題に注力して連盟運営を行っていきます。

 

  1. マスボクシングを軸に据えた普及活動の推進

 アマチュアボクシングの登録競技人口は約5000人と、多くはありません。しかし、ボクシングの潜在的競技人口は少なくはないと考えています。老若男女問わず、フィットネスのためにボクシングジムに通う人は増えています。我々が2021年より取り組んでいる「マスボクシング」競技は、競技ボクシングへの参入障壁を下げる鍵となります。マスボクシングとは、寸止めのボクシングのことです。ボクシングというスポーツの魅力をそのままに、より多くの方々にこの競技に参加してもらい、楽しんでいただくために、全国大会も開催しております。大きな可能性をもつこの競技の参加者を加速度的に増やしていけるように、昨年より、マスボクシング普及委員会を設置しました。積極的な普及・啓発活動を行っていきます。

 

  1. 女子競技者の増加

 皆様ご存知のように、2024年パリオリンピックは史上初めての参加選手数が男女同数になり、男子選手と同数の5250人の女子選手がパリで活躍することになります。今後、世界的に女子スポーツへの注目度が増していくことは確実です。我がボクシング競技の女子選手団は、パリオリンピックへの切符を獲得することはできませんでしたが、今回惜しくもParis2024出場を逃した選手たちも、世界選手権やアジア選手権で素晴らしい成績を示しております。しかしながら、現在、女子選手の登録者数は約650名と全体の15%弱で決して層が厚いとは言えません。今後、オリンピックで確実かつ、しっかりとした結果を残すためには女子選手の競技人口を増加させ、層を厚くすることは必須です。 そのための取り組みとして、公開競技として一部階級でのインターハイ開催など、女子選手の活躍の場を確保していきます。

 

  1. 責任者を明確にした、継続性のある強化体制の構築

 連盟における重要な仕事である強化活動をどのように行っていくかに関しては、大きな課題です。今回の新体制における改革を見据えて、今年度より、理事2期目を迎える須佐勝明さんを強化事業のトップである「ハイパフォーマンスディレクター」に据えました。須佐理事には、強化の責任者として大胆な改革を行っていただきます。パリオリンピックが目前に迫っておりますので、オリンピック終了時までは現行の、高見男子強化委員長、伊田女子強化委員長体制のままで強化事業を進めていただきますが、パリオリンピック終了後より、次期オリンピックを見据えた中長期プランを遂行できる体制を作ります。

 

  1. オリンピック競技であり続けるための国際社会の中における貢献

 国際的な情報収集、コミュニケーションは、NF運営にとって最重要課題です。2018年〜現在までの6年間で、複数回の国際コーチ試験、国際審判試験を国内大会において開催し、国際コーチと国際審判員の数は3倍に増加しました。国際コーチや審判が多く誕生することで、国際大会で通用する、すなわち「勝てる」スタイルを理解した強化活動を行えます。これは、IFである国際ボクシング協会(IBA)と良好にコミュニケーションをとってきた結果であります。

 

 しかしながら、現在ボクシング競技は非常に難しい政治的局面に瀕しています。IBAが国際オリンピック委員会(IOC)からの資格停止処分を受けたことにより、現状このままではパリの次、ロサンゼルスオリンピックではボクシング競技は開催されません。この状況を打開するためにオランダやアメリカなどを中心にして、新たなIFを目指す団体として、World Boxingという団体が立ち上がり、10月末というIOCの期限を目指して最低50カ国の加盟を獲得すべく働きかけています。我々が何をすべきか。非常にひっぱくした、最大の運営課題だと申し上げても過言ではないでしょう。

 

 もちろん我々としても、IBAの問題点に手をこまねいて見ていただけではありません。競技の中核である「判定」を透明化させるために、新判定システムを提案し、IOCへの信頼を回復するために、IBA加盟のNFとして貢献を示してきました。そういった意味でも、IBAの資格停止処分は非常に残念なことだと受け止めています。

 

 その中で我々が何をすべきか。我々の活動の主軸は常に、全てのボクサー、全てのボクシングファン、そして全てのボクシング関係者のために、最良の選択をしていくことです。そのために当然、WB加盟に対しても十分に検討をしなければなりません。しかしながら問題は複雑に絡み合っています。情報の収集と十分な話し合いが必要です。残された時間は少ないかもしれませんが、ボクシングがオリンピック競技であり続けるために、最大限の努力を行なっていきます。

 

 新しい体制においても、まだまだ課題は山積みであると感じています。これらの問題点に対して、都道府県連盟やブロック連盟に十分な情報共有を行いながら、みなさまの期待に答えられるような、しっかりとした組織運営を行っていきたいと思います。

公益社団法人 日本ボクシング連盟
第14代 会長 仲 間 達 也