1年後の東京オリンピック本選や、来年5月か6月に予定されている世界最終予選に向け、ボクシングの全日本代表メンバーは、男女別々で低酸素の高地トレーニングに今月下旬に臨みます。女子チームの富山合宿よりひと足早く蔵王坊平アスリートヴィレッジに入った男子チームは、2日目となる21日、17時からオンライン取材を行いました。下記がその質疑応答です。
[参加選手]
フェザー級(57kg)・堤駿斗(東洋大学)、ライト級(57kg)・成松大介(自衛隊体育学校)、ウェルター級(57kg)・岡澤セオン(鹿児島県体育協会)、ミドル級(75kg)・森脇唯人(自衛隊体育学校)、ライトヘビー級(81kg)・梅村錬(岩手県体育協会)※フライ級(52kg)・田中亮明(中京高校・教員)はスケジュールの都合がつかず不参加
――合宿で身体を動かしてみて、何か感じたこと、オリンピックに向けてどんなことを調整していきたいか、順番にお聞きできますか?
堤「自分は身体をずっと動かしていたので、あまり違和感はないですけど、こうしてみんなで集まってできることは、違う刺激にもなるのでいいなと思います」
成松「身体を動かしてみて特に変わったことないですけど、今、ちょっと足の裏をケガしているので、早く治さなきゃなと思っています」
岡澤「こうやって改めてみんなで集合して練習すると、オリンピックに向けて再始動しているんだなって感じられるので、ここから1年間、しっかりオリンピックに向けて頑張ってきたいと思います」
森脇「自分もずっと動いていたので違和感はないですけど、久々に代表の選手たちと集まって顔合わせっていう感じでやってます」
梅村「身体は動かしていたので特に違和感はないです。みんなと集まって練習できるので、たくさんのことを取り入れて、合宿が終わったときに少しでも強くなっているように頑張りたいと思います」
――まだまだ新型コロナウイルス問題が続いていますが、今回の合宿でもその対策を気にしながら活動していると思います。「コロナと戦う」という点でどういった意識がありますか?
堤「宿泊施設の方に迷惑を絶対にかけないように、自分のできる予防をきっちりやりたいと思います」
成松「手洗い、うがい、マスク、食事する前のアルコール消毒など、基本的な感染対策をしっかりやれているかなと思っています」
岡澤「うがい、手洗いだったり、マスク着用、自分は地元がこの山形県なんですが、実家は飲食店(接客業)だったりすることもあって、今回はこの施設から出ないで、実家に寄らずに合宿を終えようと思ってます」
森脇「食事の前後でもアルコール消毒をやって、ゴム手袋はめて食事をしたりとか、マスクを着用して移動など、対策は十分できてるかなと思っています」
梅村「基本的なことですけど、手洗い、うがいとアルコール消毒を行っています」
――岡澤選手にお伺いします。今月の豪雨で練習拠点である鹿児島県鹿屋市もたくさんの被害が出たということで、心配される状況でした。どのように練習していますか?
岡澤「想像以上の被害でマシンが使えなくなったり、床の張替えが必要になったりっていう環境の中では、最大限、いい練習ができているかと思います。日本連盟さんからのボクシング用具など、多くの人にすごく支援をしていただいて、本当に助かったりいるところです。自分一人でボクシングはできないってことを今回すごく感じたので、改めていろんな方に恩返しをするためにも、来年のオリンピックで頑張らないといけないと思いました」
――みなさんにお伺いします。この何ヶ月か自分の思っている練習ができないと思ったことがあると思います。その際、どんなことを考え、どんな練習してきましたか?
堤「自分は今できる身体づくりだったり、実戦練習以外、自宅でミットを弟と持ち合ったりしていました」
成松「足の裏をケガしているのであまり体力強化などができず、ボクシングにおいては基本的な練習しかしていません」
岡澤「フィジカル・トレーニングを中心に基本的なボクシング能力を上げられるようにと意識して練習してきました」
森脇「所属先でコーチとマンツーマンでミット打ちだったり、サンドバッグだったり、あとは走り込んたり、外でサーキットをやったり、日々追い込んでいます」
梅村「実戦練習ができなかったので、基本的なボクシングのパンチの練習やあとはフィジカル・トレーニングをやっていました」
――岡澤選手にお伺いしたいのですが、地元・山形で合宿できることをどのように感じていますか?
岡澤「やっぱりすごくうれしいです。蔵王にはスキーでも来たことがあるので懐かしく思ったりするんですけど、新型コロナの影響で山形市に帰れないのが残念です。今回は合宿で強くなることだけを考えて、コロナ問題が落ち着いたとき、いい姿を見せられるように頑張りたいと思います」
――成松選手にお聞きします。ケガはどんな状態ですか?
成松「右足が足底腱膜炎になってしまったんですけど、治るまで走り込みとかは控えておこうかなと思っています。合宿の練習メニューを見る限り、参加できそうなものが多いので、できるだけやろうと思っています」
――ケガはいつからですか?
成松「正式に診断されたのは7月初めですけど足の裏を痛めていたのは3月くらいからです。いつ治るかは分かりません」
――オリンピックが始まるまであと1年ということで、1年後に向けて今の抱負をお一人ずつお願いします。
堤「自分はまだ出場を決められていないので、予選が開催されたらそこで勝てるように、今からしっかり準備したいと思います」
成松「ケガを治してから思いっきり練習して、自分が足りないところを強化していければいいなと思っています」
岡澤「1年間延びたからには、延びた意味があったと思える大会にしたいですし、金メダルを狙ってしっかり練習を積んで、最高のパフォーマンスをしたいと思います」
森脇「いつでも戦えるように、明日試合ができるようにでも準備しています」
梅村「開催が1年間延びたので、この期間を大切に練習して強くなって、まずはオリンピック出場を決めたいと思います」
(次回の男子メンバーは26日にオンライン会議を予定しています)