いまだ対立関係が続いているインドとパキスタンについて、3度目のオリンピック出場を確定させているクリシャン・ビカス選手(インド)は「両国でボクシング・トーナメントの開催が国境を越えた友情を育むアイデアだ」と国内メディアで主張したことが、諸外国でも注目を集めました。
今年3月に行われた東京オリンピックのアジア・オセアニア予選で日本代表の岡澤セオン(男子69kg級代表=鹿児島県体育協会)とも激しいペース争いを繰り広げ、勝利したビカス選手は、現存するインド・パキスタン間の問題を挙げながらも、「いい隣人同士になる必要がある」と述べました。
これに関しては最近、プロボクシング界のスター選手であるパキスタン系イギリス人のアミール・カーン選手(2004年アテネ・オリンピック銀メダリスト)も、同様の意見を発信し、「貧困と戦うためにインドと団結するべきだ」と訴えています。
カーン選手は新型コロナウイルス対策としてパキスタンに約5800万円を寄付するなど、今も国民的ヒーローの立場にあり、一方のビカス選手も東京オリンピックで金メダル獲得を期待されています。インド南西部で合宿中のビカス選手は「今回は順調にトレーニングが進んでいる」ともコメントしました。
岡澤(右)とオリンピック出場権を奪い合ったビカス選手