ウマル・クレムレフ氏
12月12日と13日にオンラインで開催されることになったAIBA(国際ボクシング協会)の会長選挙に向け、近年、大きな存在感をきたロシア・ボクシング連盟書記長のウマル・クレムレフ氏が立候補を表明。自信とともに反対勢力への不満の意を示しました。
立候補の締め切りは11月2日ですが、その1か月前までに投票権を持つ各国のボクシング連盟に、その意思を通知する義務がありました。
クレムレフ氏はおととし、「個人資産でAIBAの負債を清算したい」と申し出た以降、アジア、オセアニア、アフリカなどの大陸ごとで『AIBAフォーラム』を開催。各地域の声に耳を傾けてきた他、昨年は男女両方で世界選手権のロシア開催を盛大に実現させるなど、主導権を大きく引き寄せていました。
今回の立候補について、クレムレフ氏は「50か国以上から推す声があった」と話した一方、反対勢力が、先に立候補を表明したアゼルバイジャンのスレイマン・ミカイロフ氏に票が集まるよう、ヨーロッパから他に立候補者を出さないよう働きかけているとして、「民主主義への冒涜行為だ」と強く批判しました。
37歳のクレムレフ氏は、過去にプロボクシングで興行主催などの実績があり、AIBAが2016年のリオデジャネイロ・オリンピック前後で一時的に連携を結んだプロボクシング団体WBA(世界ボクシング協会)との関係を再開させたことにも、賛否が大きく割れていました。
関係を遮断されているIOC(国際オリンピック委員会)に正常機能を示す上でも必須となる正規会長就任に向け、立候補者は3名となりました。