2016年リオデジャネイロ・オリンピックで初めて結成されたIOC(国際オリンピック委員会)の難民選手団が来月に迫った東京オリンピックでも参加が決まっており、ここにはボクシング競技のエルドリック・セラ選手も選ばれたことが、6月8日、IOCによって発表されました。
IOCにとって「難民」はUNHCR(国連難民高等弁務官事務所)の定義による「迫害、戦争、暴力などのために自国からの脱出を余儀なくされた人たち」を指し、IOC難民選手団は2秒に1人、家を追われている世界中の難民にとって「希望の象徴」となり、難民危機への関心を高める役割を果たすことが目的とされています。
中米ベネズエラ出身のセラ選手は10歳でボクシングを始め、ナショナルチームのメンバーに選ばれたこともありましたが、2014年のベネズエラ経済危機などから、家族での外国移住が決断されました。移住先のトリニダード・トバコでは、父親との師弟関係で2019年に国内選手権・準優勝。2020年12月からIOC難民選手奨学金の受給者となっています。
セラ選手は、自身のSNSアカウントなどを通じ、「オリンピックに参加できるチャンスを得て、自分だけでなく、同じように家や夢を捨てざるを得なかった何百万人もの人々を代表することができる」とコメントしています。
東京2020のIOC難民選手団