スイス国内のボクシングを統括する『スイスボクシング』が、IBA(国際ボクシング協会)からの脱退を表明し、IBAと対立する新たな国際競技団体『ワールドボクシング』に参加することが確認されました。ワールドボクシングの参加国でも、IBAから脱退を発表した国内連盟は米国を統括する『USAボクシング』に続いて2番目です。また、先月29日にはニュージーランドもIBAからの脱退を検討していることを発表しました。この動きにはIBAが、いまだにIOC(国際オリンピック委員会)からオリンピックの競技管理を任されないことなどが影響しています。
スイスは今年初め、ロシアとベラルーシの選手が制限なく国際大会に参加できるというIBAの方針を不服として、同協会の大会をボイコットしました。今回、IBAは「スイス・ボクシングは政治的、宗教的に中立であるという規約に矛盾している」と抗議し、過去にオリンピック・メダルを獲得したことのない状況で、政治的な駆け引きが見られると指摘しました。一方で米国は過去のオリンピック・メダル獲得に関して、ボクシングでは圧倒的な世界一を誇ります。いずれにせよ、ボクシング界の世界的な勢力図に大きな変化が生じています。