現地時間11月28日、米国ロサンゼルスでは、かつてボクシング界の象徴的な強さを誇ったマイク・タイソン氏とロイ・ジョーンズ・ジュニア氏がエキシビションマッチを行って注目を集めました。
実に54歳と51歳。勝負論より話題性に特化したこの対決は賛否が大きく分かれました。それはひとまず別の機会にして、こうした「レジェンド」たちにも、かつてオリンピックの頂点を目指した時代があることをおさらいしたいと思います。
幼少期、非行に走っていたタイソン氏は少年院の更正プログラムでボクシングを学び、その後に米国ジュニア・オリンピックで優勝するなど、才能を開花させました。そして1984年ロサンゼルス・オリンピックの出場を狙いましたが、国内予選の決勝でヘンリー・ティルマン選手にポイント負け。オリンピック出場を逃しました。タイソン氏からノックダウンも奪ったティルマン選手は、オリンピックで金メダルを獲得しましたが、プロボクシングではタイソン氏にKO負けを喫しました。
一方のロイ氏は1988年ソウルオリンピックで米国ライトミドル級代表となり、決勝まで進みましたが2-3のポイント負け。この判定は大きな議論を呼び、それが、「コンピューター採点」と呼ばれる加点法を導入するきっかけとなりました。
オリンピック・ボクシングにとって、望ましくない形で歴史的なキーマンとなったロイ氏ですが、その強さは今も世界中に広まっており、世界選手権など、大きな国際大会で特別ゲストに招かれるなど、良好な関係を見せています。
プロボクシングの活躍のみで知っている名選手たち。彼ら、彼女らについて何かのきっかけにアマチュア時代、どんな「もう一つのボクシング・キャリア」があったのか、インターネットなどで調べてみるのは、ファン歴が長い方にこそ、新鮮かも知れません。もちろん、日本国内の選手でも例外ではないはずです。