いまだ拡大を報じられるウイルス性の新型肺炎の波紋は、選手や役員、観客を守るために、間近に迫ったアジア・オセアニア予選にも強い揺さぶりをかけています。
この流行が国際規模で報じられるようになった今月上旬、IOC(国際オリンピック委員会)のボクシング ・タスクフォース(特別作業部会)にはフィリピン・ボクシング協会から「東南アジア競技大会(SEA Games)での開催実績」を保証として、開催地の代理も提案されていましたが、当時は却下されていました。その根拠には、WHO(世界保健機関)の「渡航や貿易を制限するまでの必要はない」という見解がありましたが、すでに「人から人へ」の感染が確認されたため、WHOも22日、専門家による緊急委員会を招集するに到っています。
多数の国から選手の集まる国際大会では、ビザの手続き上、直前に別の国へ変更することが難しい現実もあります。一方で中国は今月25日から旧正月(春節)に入ると多くの国内機関が休業になるため、中国・国内での変更手続きもまた難しくなります。
また、IOCタスクフォースは、4月初めまで各大陸予選をほぼ断続的に開催します。
[2月3日~2月14日]
アジア・オセアニア予選
(中国・武漢)
[2月22日~2月29日]
アフリカ予選
(セネガル・ダカール)
[3月14日~3月24日]
ヨーロッパ予選
(英国・ロンドン)
[3月26日~4月3日]
アメリカ大陸予選
(アルゼンチン・ブエノスアイレス)
[5月12日~5月23日]
世界最終予選
(フランス・パリ)
アジア・オセアニア予選に向け、体調を整えている日本の出場予定メンバーですが、特別な変更があったとしても、慎重かつ臨機応変に対応することが求められそうです。
【日本代表】
男子52kg(フライ)級:田中亮明(中京高校教員)
男子57kg(フェザー)級:堤駿斗(東洋大学)
男子63kg(ライト)級:成松大介(自衛隊体育学校)
男子69kg(ウェルター)級:岡澤セオン(鹿児島県体育協会)
男子75kg(ミドル)級:森脇唯人(自衛隊体育学校)
男子81kg(ライトヘビー)級:梅村錬(拓殖大学)
女子51kg(フライ)級:並木月海(自衛隊体育学校)
女子57kg(フェザー)級:入江聖奈(日本体育大学)
女子60kg(ライト)級:濱本紗也(日本大学)
女子69kg(ウェルター)級:鬼頭茉衣(中京大大学院)
女子75kg(ミドル)級:津端ありさ(西埼玉中央病院)