「2024年パリ・オリンピックでのボクシング実施を取り消す可能性も踏まえる」との強い警告をIOC(国際オリンピック委員会)から受け(参照)、IBA(国際ボクシング協会)は、ウマール・クレムリョフ会長とジョージ・エロリンポス事務局長の署名で、反論文を公式ウェブサイトに掲載しました。
「年末年始の休暇期間に、このような反論を送ることは喜ばしいことではありません」という文から始まったIBAの反論では、諸問題に関し、ボクシング界が結束して団結して健全化を目指していることが主張されています。また、IBAがロシア政府の存在感が強いガスプロム社1つに資金源を依存させていることへの懸念には、「IBAはすでにボクシング用品の供給元としてオーストラリア企業のスティング社とも6年契約を交わしました」と説明しました。
IBAは現在の諸問題がクレムリョフ会長就任以前に招かれた風評被害であるとしていますが、IOCはこれに「現在のガバナンス問題から気を逸らしている」と指摘しています。
最近のIBAは、ロシアとベラルーシの国家代表が、国際大会に復帰することを承認しましたが、これらの国名は挙げずに「オリンピックでは選手が恫喝の道具にされてはならず、平等な権利を政治から切り離して得るべきです」として、国籍などの地政学的な事情で選手の権利を停止させることは、オリンピック憲章に大きく矛盾するとも論じました。
IOCと同様、IBAもこれまでより強気な調子で意見を発信しましたが、文末には「ボクシングが2024年パリ・オリンピック計画から取り消される脅威があるため、IBAは引き続きIOC最高幹部と連絡を取り合い、2028年ロサンゼルス・オリンピックも視野に入れます」と発展的な交流を求め、今後(2023年以降)は引退後にも持続可能なキャリアを可能にするイベントを開催していくと述べました。