IBA(国際ボクシング協会)は同協会を除外したまま2024年パリオリンピックを運営するIOC(国際オリンピック委員会)に対し「決定が大幅に遅れているため、議決によって各国競技連盟から承認された」として、同オリンピックにおける独自の予選システムを公開しました。
2019年にIOCから「諸問題を解決するまで公認団体から除外する」と前代未聞の宣告を受けたIBAですが、オリンピック種目全体のテーマである「性別平等」に則った男女の階級数・競技者数の均等化が、男女の人口比率に極端な差のあるボクシングでは難題だったため、IOCはIBAと連絡を取って、この解決を目指しました。
その結果、昨年4月に同オリンピックの予選システムが最初に発表されましたが、その後、IOCの設けたCAS(スポーツ仲裁裁判所)の判決にIBAが応じなかったことが、再び関係を悪化させるきっかけとなり、予選システムは1度白紙となっています。
IOCは各大陸のオリンピック評議会が主催の総合スポーツ大会(アジア競技大会など)を大陸予選として、その後に世界予選を2回実施するパリ・オリンピックのシステムを発表しましたが、最近、当初に予選の対象となるはずであった男子と女子の世界選手権に、ボイコット(拒否同盟)が広がっています。
今回、IBAはこのタイミングで、独自の予選システムを発表したことになり、「所属するボクシング連盟がボイコットをする場合でも、参加に興味のある選手は連絡をしてください」と窓口を設けています。
また、IBAではウマール・クレムリョフ会長が就任前後から掲げていた構想で、プラチナ、ゴールド、シルバー、ブロンズの名前で格付けされた賞金トーナメント『ベルトシリーズ』も、オリンピック出場権に関わると発表しています。
今年5月にタシュケント(ウズベキスタン国内)でIBAが主催する男子世界選手権では全階級の金メダリストに20万米ドル、銀メダリストに10万米ドル、銅メダリストに5万米ドルの賞金を約束されています。今回、独自の予選システムを発表する際に、IBAは来月にニューデリー(インド国内)で開催する女子世界選手権でも、男子選手権のそれぞれ半額分は約束しました。
⇒[IBA発表の予選システム]
※内容は正式承認ではなく、独自発表が現状となります。