IBA(国際ボクシング協会)は、IOC(国際オリンピック委員会)による処分が「資格停止」から「資格取り消し」に変更されたため、臨時のオンライン会議を開催することが決まりました。海外の報道によれば、この会議でIBAのウマール・クレムリョフ会長とジョージ・エロリンポス事務局長が責任を問われる可能性が高いとされています。
今回の資格取り消し処分がIOC総会で正式に決定されれば、IBAはウマール会長が以前から示唆してきた「オリンピックなしの組織運営」を目指すのが現実的です。これには一定の支持が期待されていますが、同会長はオリンピックの資格復帰について「裁判での公正な評価を求めることが最後のチャンスである」と引き続き抵抗するコメントをしています。
資格取り消しの一方では、ボクシングの実施決定が保留されていた2028年ロサンゼルス・オリンピックに関して、実施する見込みであることがIOCの報告書で明らかになりました。そのため、各国のオリンピック委員会に管理される多くの国内ボクシング連盟にとっては「最も避けたかったことを回避した」という安堵感が高まっているとも報道されています。ここ最近、IBAと激しい論戦を続けてきたIOCは、来年開催されるパリ・オリンピックでもボクシングの実施を中止する可能性も一時示していました。
すでにボクシング界では新たな国際競技団体である『ワールドボクシング』も、IBAから事実上の分裂で発足されていますが、同団体とIOCの連携はまだ報告されていません。21年に開催された東京オリンピックとパリ・オリンピックでは、IOC内部のボクシング・タスクフォース(特別作業部会)によって予選・本選が運営されます。ロサンゼルス・オリンピックのボクシングが、どのように管理されるかは未定です。