伝統的なキルギス首都の練習場
新型コロナウイルスの流行で長く休みを取っていた各国ボクシングチームが、どのように動き始めているのか。ライバルであり、しばしば合同練習を行う仲間でもある他国の現状を前回に引き続いて確認していきましょう。
最新では、中央アジアのキルギス・チームが首都ビシュケクにあるナショナルトレーニングセンターに戻り、合宿を再開させたとのことです。キルギスではソビエト連邦時代にボクシング文化が根付き、今年3月の東京オリンピック大陸予選では、出場権を逃しましたが、かつて日本のプロボクシング界でも活躍したオルズベック(グッシー)・ナザロフ氏らがボクシング連盟を運営し、強化に励んでいます。
一方、コロナウイルス感染の症例が増加するインドでは、IIS(インスパイア研究所)と呼ばれる高性能な練習施設を今月から利用する計画は難しいと判断し、ボクシングで伝統的に利用されてきたパンジャーブ州の施設を利用する方針に切り替えるとのことです。インドは男子5人、女子4人の本選出場を大陸予選で決めています。
台北市カップ国際トーナメントの定期開催など、近年、熱心な強化で、アジア屈指の強豪女子チームを育成した中華台北(台湾)では、東京オリンピックが本来行われるはずだった期間に、類似大会を開催し、 国家代表選手たちのモチベーションを維持する予定があります。
「慎重かつ遅れを取らず」というのが、国を問わず現在の強化方法のように感じます。
全日本メンバーについて、本連盟では、複数の国際大会への派遣が開催の延期や中止で白紙となりましたが、月末から男女別々で高地を利用した低酸素トレーニングを国内で計画しているほか、外国での合宿も状況次第で検討して参ります。