新型コロナウイルス感染症のパンデミックで東京オリンピックのアメリカ大陸予選と世界最終予選が中止され、近年の国際大会での成績に基づいた世界ランキングを出場権の優先順位をするIOCボクシング・タスクフォースの決定について、産休と育児で選手活動を停止していたマンディ・ビジョルド選手(カナダ)による「女性差別である」という訴えを、6月30日、スポーツ仲裁裁判所は認めました。同裁判所はIOC(国際オリンピック委員会)によって設けられた仲裁機関であり、2016年のリオデジャネイロ・オリンピック出場以降、国際大会での実績がないビジョルド選手にも、引き続きオリンピック出場のチャンスが残されます。
東京オリンピックのボクシング運営を予選から管理しているボクシング・タスクフォースは、各予選を大陸競技連盟には委任せず、直接運営してきました。しかし、この最中に新型コロナ問題が深刻化。アメリカ大陸予選と世界最終予選の開催を断念していました。
育休を終え、オリンピック予選に臨むために選手復帰していたビジョルド選手は、過去に米大陸競技大会2連覇などの実績があります。今回の訴えには、元カナダ代表のオリンピック金メダリストであるレノックス・ルイス氏(プロボクシング世界ヘビー級王者)らに支持されていました。
喜びの思いをSNSに投稿したビジョルド選手