(写真:タイの予選通過選手の一人、マニコン・バイソン選手は昨年、会津若松市で日本との合同合宿に参加しました)
今日から今年も下半期に突入しましたが、本来訪れるはずだった「オリンピックマンス」とは大きく異なる2020年7月を迎えていることは言うまでもありません。しかし、新型コロナウイルス感染症問題の中、日本を含めたボクシングに情熱を持つ国々は、可能な範囲での強化再始動を模索し、その調整を続けています。オリンピックの本戦や最終予選でライバルとなる強豪国をいくつか確認してみましょう!
すでに1度、ミット打ちやスパーリングを禁止する条件で国立スポーツ施設での練習を再開していたイギリスのボクシングチームは、規制を緩和して新たに3週間の合宿を追加しました。今回は選手がフェイスマスク、コーチが専用防具を着用すれば、ミット打ちなどが認められるようになり、参加している選手同士であればスパーリングも認められています。参加人数も12人から17人に増やすことが今回検討されていますが、毎日の体温チェックや健康アンケートのみならず、コーチと選手との会話も最低限に抑えることがトレーニング規制緩和の条件となっているようです。
東南アジア随一の好成績を誇ってきたタイでも、3ヶ月の自粛期間を経て、規制が緩和されました。すでにエリート(成年)の選手たちはナショナルトレーニングセンターでの練習を再開しているのみならず、ジュニア選手の合流も検討されているとのことです。タイは東京オリンピックのアジア・オセアニア予選で男子2人、女子2人が通過を決めました。
現時点での強豪国ではありませんが、 今世紀に入っても長く政情不安が続いてきたアフガニスタンも、未来のスポーツ大国を目指して強化する4種目に、ボクシングも加えました。
アフガニスタンは2019年のアジア選手権で、4選手がベスト8まで残るレベルまで総合力を上げており、東京オリンピックでは過去最高のパフォーマンスを発揮することを目指しているそうです。ボクシング以外では、2008年北京オリンピックと2012年ロンドン・オリンピックでテコンドーの選手が銅メダルを獲得した実績があり、進境著しい中東ボクシング界でアフガニスタンも波に乗る日はそう遠くないかもしれません。(続)