IOC(国際オリンピック委員会)は、9月8日の理事会で、国際ボクシング協会(IBA)の再選挙に関するガバナンス問題(関連トピック)を確認後、2024年パリ・オリンピックのボクシング予選システムを承認しました。
IOCは今年6月時点で、同オリンピックでも昨年の東京オリンピックと同様、IBAの関与を認めないことを決定したものの、それ以前は、IBAと連携する形で、予選方式の確立に努めていました。
しかし、IBAに求めた「信頼性のある審判員の準備や採点システムの改善」や「メインスポンサーとの契約内容の公開」に進展がないことに加え、今年5月に行われたIBA会長・理事選挙で不十分なガバナンスがあったことから、パリ・オリンピックでは、各大陸の予選に、IBAが主催ではない総合スポーツ大会がそれぞれ選ばれました。
[大陸予選を兼ねた大会]
■サンティアゴ・パンアメリカ大会
(チリ)
■クラクフ・ヨーロッパ大会
(ポーランド)
■ホニアラ・パシフィック大会
(ソロモン諸島)
■杭州アジア大会
(中国)
■アフリカ国内オリンピック委員会連合による総合スポーツ大会
(開催国未定)
上記はそれぞれ2023年開催の予定で、新型コロナウイルス感染症への懸念から来年に延期されていた杭州アジア競技大会の主催は、アジア・オリンピック評議会となり、日本はこの大会が対象となります。
IOCはその後、2024年に2つの世界予選を開催する予定も発表しました。当初は出場の優先順位となる世界ランキングを構築し、様々な国際大会がそのランキングの評価対象となると予定でしたが、その複雑さが軽減され、すべての大陸(アフリカ、米大陸、アジア、ヨーロッパ、オセアニア)の選手に、計3度の予選チャンスが与えられることになります。
今回、IOCはIBAの現状に改めて「深刻な懸念」と、まだ2028年ロサンゼルス・オリンピックの事業計画にボクシング競技を追加していないことを伝えました。