本来であれば現在、東京オリンピックのボクシング競技が連日、墨田区・両国国技館で行われていた時期であり、それが1年延期されている中、対象選手たちは様々な形でメンタル・コントロールを続けています。今年3月のアジア・オセアニア予選で本戦出場を決めた男子ウェルター級の岡澤セオン(鹿児島県体育協会)は、自身がオリンピックの決勝戦に臨む予定だった8月3日、体重をリミットの69kgに合わせ(写真)、SNSで投稿しました。投稿には「コロナに惑わされて、沢山考えて、色んなことに気付けました。とにかくボクシングが好きだし、ただただもっともっと強くなりたい。何のためにボクシングやってるのか、何が目標なのか、今はハッキリしてるからこの先何があっても進める、大丈夫」と書き添えています。
今回の東京オリンピックにこだわりを持っているのは、岡澤だけでも、他階級の日本代表だけでもありません。世界各地ではこの「オリンピックがあったはずの時期」に様々な代理のスポーツ・イベントが開かれています。
なお、アジア・オセアニア予選で岡澤に競り競り勝ったライバル、クリシャン・ビカス選手(インド)は、インド国内の合宿施設でトレーニングできない状況から、来年までプロボクシングのキャリアを一時再開させる方針を選びました。ビカス選手には米国のリングで2戦2勝(1KO)のキャリアがあり、「オリンピックまでに3、4試合のプロ戦を行いたい」ともコメントしています。※プロボクシング界では「アマチュアとのキャリア同時進行」への方針は団体によって様々です。
いかに工夫をしてメンタルコントロールをできるか。その戦いはオリンピックに関係なく、世界中のアスリートの中で続いています。