東京オリンピックへの関与を断たれた状況ではあるものの、100年にわたって国際ボクシングを統括してきたAIBA（国際ボクシング協会）は、プロボクシングの最も古い世界王座認定団体であるWBA（世界ボクシング協会）との関係をより密接にすることを、それぞれの会長同士が宣言し合いました。
これは7月1日から4日までオンラインで行われている第99回WBA総会の開会式でのことで、ゲストとして招かれたモハメド・ムスタザンAIBA暫定会長は「2015年以来、協力について組織同士が多く議論を交わしてきた」と振り返り、「今こそこの競技と選手のためにすばらしい関係を構築するときだ」と述べると、WBAのヒルベルト・メンドーサ会長も「新しい関係を築くことができて光栄です」とフォローし、1年後の次回総会に向けて、いくつかの活動を始めていく姿勢が示されました。
かつては相容れない関係であったボクシング界のプロ・アマ組織ですが、AIBAとWBAの関係は2016年、プロボクシング経験者にオリンピックを含めた公式戦の出場を開放した前後から親密になり、WBAはその開放政策に協力的な姿勢を示し、また、AIBAがIOC（国際オリンピック委員会）に除外を検討され始めた当初には、AIBAに代わってオリンピックのボクシングを管理したいとして、WBAはスイスに事務所を特設したことがあります。
（史上初のオンライン開催となったWBA総会）
