標記のことについて,下記のとおり,ご報告いたします。
1 試合期間 平成30年8月20日(月)~31日(金)
2 開催国名 ハンガリー(ブダペスト) 時差:日本-7時間
3 派遣選手団
役 職 | 氏 名 | 備 考 |
監 督 | 小山田 裕二 | AIBA3スターコーチ・JOCオリンピック強化スタッフ・駒澤大学 |
コーチ | 川島 弘行 | AIBA1スターコーチ・ JOC強化スタッフ・作新学院 |
コーチ | 須佐 勝明 | JOC強化スタッフ・自衛隊体育学校 |
トレーナー | 寺中 靖幸 | JOCオリンピック強化スタッフ・自衛隊体育学校 |
階 級 | 氏 名 | 所 属 |
男子ライトフライ級
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政所 椋
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王寺工業高等学校
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穴口 一輝
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芦屋学園高等学校
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堤 龍之介
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日章学園高等学校
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田中 空
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武相高等学校
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宇佐美 正 パトリック
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興国高等学校
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須永 大護
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駿台学園高等学校
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女子ライトフライ級
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岩田 吏加
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芦屋大学
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女子フライ級
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木下 鈴花
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米子南高等学校
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女子フェザー級
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入江 聖奈
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米子西高等学校
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4 試合結果
8月21日 |
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階級 | 氏名 | 試合結果 | 対戦相手国 | ||
男子LF級 | 政所 椋 | ○ |
WP 5-0 |
● | スリランカ |
男子F級 | 穴口 一輝 | ● |
WP 1-4 |
○ | ルーマニア |
男子W級 | 宇佐美 正 パトリック | ○ |
WP 4-1 |
● | キルギス |
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女子Fe級 | 入江 聖奈 | ○ |
WP 4-1 |
● | イングランド |
8月22日 |
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階級 | 氏名 |
試合結果
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対戦相手国 | ||
男子L級 | 堤 龍之介 | ○ |
WP 5-0 |
● | オーストラリア |
男子LW級 | 田中 空 | ● |
WP 2-3 |
○ | ブルガリア |
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女子LF級 | 岩田 吏加 | ● |
WP 0-5 |
○ | タイ |
8月23日 |
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階級 | 氏名 |
試合結果
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対戦相手国 | ||
男子LF級 | 政所 椋 | ● |
WP 0-5 |
○ | プエルトリコ |
男子M級
|
須永 大護
|
○
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WP 3-2
|
●
|
オーストラリア |
8月24日 |
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階級 | 氏名 |
試合結果
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対戦相手国 | ||
男子L級 | 堤 龍之介 | ○ |
WP 3-2 |
● | ポーランド |
男子W級 | 宇佐美 正 パトリック | ○ |
RSC 2R |
● | アルジェリア |
男子M級
|
須永 大護
|
●
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WP 2-3
|
○
|
メキシコ |
8月25日 |
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階級 | 氏名 |
試合結果
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対戦相手国 | ||
女子Fe級 | 入江 聖奈 | ○ |
WP 5-0 |
● | メキシコ |
8月26日 |
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階級 | 氏名 |
試合結果
|
対戦相手国 | ||
男子L級 | 堤 龍之介 | ● |
WP 0-5
|
○ | タイ |
男子W級 |
宇佐美 正 パトリック
|
○ |
WP 3-1 |
● | ウズベキスタン |
女子F級
|
木下 鈴花
|
●
|
WP 0-5
|
○
|
アメリカ |
8月27日 |
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階級 | 氏名 |
試合結果
|
対戦相手国 | ||
女子Fe級 |
入江 聖奈 ※メダル確定 |
○ |
WP 5-0 |
● | スロバキア |
8月28日(準決勝) |
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階級 | 氏名 |
試合結果
|
対戦相手国 | ||
男子W級 | 宇佐美 正 パトリック | ● |
WP 1-4 |
○ | ロシア |
女子Fe級 |
入江 聖奈
|
● |
WP 0-5 |
ー | クロアチア |
入江選手,宇佐美選手は銅メダルを獲得いたしました。
4 試合戦評
8月21日
階級 | 氏名 | 試合結果 | 対戦相手国 | ||
男子LF級 | 政所 椋 | ○ |
WP 5-0 |
● | スリランカ |
1R 政所は長身のサウスポー相手に積極的に攻撃を仕掛ける。左ストレートから右ストレートをヒットし試合をコントロールする。相手も必死に反撃してくるが、政所はサイドステップでクリーンヒットを許さない。政所のラウンド。 2R 変わらず政所は右ストレートをヒットしポイントをピックアップしていく。相手も長い左ストレートを伸ばし抵抗するが、政所はペースを崩さず、時折相手をロープに詰め連打し印象付ける。このラウンドも政所のラウンド。 3R 政所は少し疲れが見え動きが止まる。それでもペースを崩さず攻撃を仕掛け右ストレートをヒットし、ラウンドを支配する。相手も疲れが見え、政所の右ストレートがまともにクリーンヒット。スタンディングダウンを奪い、勝負を決定付けた。 30-26が2人、30-27、29-28、29-27の5-0WP勝ち。試合開始時間が1時間以上も遅れるアクシデントに見舞われながらも、日本選手団の初陣を見事勝利で飾ってくれた。 戦評:小山田 |
階級 | 氏名 | 試合結果 | 対戦相手国 | ||
男子F級 | 穴口 一輝 | ● |
WP 1-4 |
○ | ルーマニア |
1R 相手はオーソドックススタイルで左右フックを強打しながら前に前に攻めてくる。これに対し穴口はステップワークを駆使しサークリングしながら得意の左ストレートを放ちヒットさせる。相手はなりふり構わず左右を強振し前に出て来るが、穴口もロープを背にしながらも反撃する。ラウンド中盤、穴口が良いタイミングで左ストレートをヒットしスタンディングダウンを奪う。その後、変わらず相手の強い攻撃に手を焼きながらも左ストレートをヒットし相手の顎を上げる場面を作る。穴口のラウンドか。 2R 相手は更にプレスを強め、左右フックを強振してくる。穴口は徐々にペースダウンしロープを背に相手の左右フックを被弾する場面が増える。その後も穴口は、ステップワークで左右に動き時折左ストレートをヒットするが、相手のプレスが強く中々思うように動けない。相手のラウンドか。 3R 穴口は、変わらずプレスをかけ攻め込んでくる相手に対しロープを背にする場面が増える。疲れも見え、相手の攻撃をかわしきれずにヘッド、ホールドの注意を受けてしまい、バランスを崩しスリップする場面が増える。しかし、穴口は最後の力を振り絞り、ステップワークから左ストレート、左アッパーを放ち抵抗する。相手は最後まで攻撃の手を緩めず左右フックを強振する。相手がラウンドを支配し続ける中、試合終了。27-30が3人、28-29が1人、29-28が1人の1-4WP負けであった。穴口は非常にポテンシャルが高く、勝てない相手ではなかっただけに非常に残念な敗戦となった。今後は今回の敗戦を生かし、3分3ラウンド耐え得るスタミナを強化し、更なるレベルアップに期待したい。 戦評:小山田 |
階級 | 氏名 | 試合結果 | 対戦相手国 | ||
男子W級 | 宇佐美 正 パトリック | ○ |
WP 4-1 |
● | キルギス |
1R サンスポーの相手に対し、リードをついてペースをつかむ。相手が攻撃してくるところに、右ストレートをヒットさせ、主導権を握った。中盤以降も右ストレートと、アッパーボディを的確に当て、宇佐美がラウンドを支配した。 2R 開始早々に相手が攻撃を仕掛けて宇佐美の距離をつぶしてきた。しかし、宇佐美もそれに応じて撃ち合いの展開になる。中盤に相手の頭が宇佐美の目の上にぶつかり、注意がはいる。かなり痛がっていたが、一歩も引き下がらないで両者撃ち合いをする。互角のラウンドになる。 3R撃ち合いで気持ちが高ぶっていたので、セコンドから落ち着いて、集中しようと指示され、序盤はリードをついて冷静に試合を展開させた。相手は、勝負にかけてきて攻撃を仕掛けてくるが、ところどころに宇佐美のボディと右カウンターがヒットして主導権をとる。ラスト30秒では宇佐美が速いコンビネーションで攻撃をし、このラウンドを支配した。 WP勝ち 4-1(30-27 30-27 30-27 29-28 28-29) 戦評:川島 |
階級 | 氏名 | 試合結果 | 対戦相手国 | ||
女子Fe級 | 入江 聖奈 | ○ |
WP 4-1 |
● | イングランド |
1R 入江は長身オーソドックスの相手に対し、中々先手を取ることが出来ず攻めあぐねる。しかし、徐々に距離を潰しリードパンチから右ストレートをヒットし相手をロープに詰める。相手もリズム良く左リードパンチを繰り出し対抗するが、入江の力強い攻撃に対応できない。入江のラウンドか。 2R このラウンドも相手の左リードパンチからの攻撃に先手を取られる。入江は相手が長身な為か攻撃する際に上体が浮いてしまい、軽いパンチではあるが被弾する。しかし、持ち前の気持ちとスタミナを生かし、右ストレートを好打し続け相手をロープに詰める。ラウンド終盤に盛り返し、攻勢をアピールした。入江のラウンド。 3R 入江も相手も疲れが見える。揉み合う場面が増え、入江は足が動かず相手に体を預けてしまいパンチが出ない。それでも揉み合いから離れた際に何度も右ストレートをヒットし、コーナー、ロープに詰めラウンドを支配する。最後の力を振り絞り左右連打で攻め抜き試合終了。29-28が2人、30-27が2人、28-29と相手を支持したジャッジが1人、4-1のWP勝ちであった。入江は昨年54kgで世界ユース銅メダルを獲得。実績と実力を兼ね備えている入江の次戦に期待したい。 戦評:小山田 |
8月22日
階級 | 氏名 | 試合結果 | 対戦相手国 | ||
男子L級 | 堤 龍之介 | ○ |
WP 5-0 |
● | オーストラリア |
1R オーソドックスの相手に対して堤選手は開始当初より積極的に前にでて回転の速いコンビネーション、特に左アッパー、左ストレートでポイントを量産して主導権を握る。 相手選手は時より強い右ストレートや左フックを打つ場面が散見されるが、堤選手はバックステップやガードを活用して主導権を許さない。終始前に出た堤選手がラウンドを支配する。 2R 開始当初、相手が前に出て距離を潰して攻撃するもコンビネーションも乏しく、打ち終わりに身体が流れているためポイントになりにくい。時より相手選手の強い右ストレートを貰うも、単発のパンチで後が続かない。堤選手は1ラウンドよりも冷静かつ軽快に左ストレート主体の回転の早いパンチを放ち、ロープに追い込む場面も多くポイントを量産しラウンドを支配する。 3R 相手選手はプレスを強めて引き続き攻撃してくるものの堤選手は冷静にステップとガードを活用して対応する。中盤、クリンチが増えお互い疲労が見えてくるも堤選手は気持ちが強く、身体が開いている時に被弾するも前に出て相手選手をロープに追い込む場面を作りラウンドを支配する。 WP勝ち 5-0 (30-27 30-27 30-27 30-27 30-27) 戦評:須佐 |
階級 | 氏名 | 試合結果 | 対戦相手国 | ||
男子LW級 | 田中 空 | ● |
WP 2-3 |
● | ブルガリア |
1R オーソドックスの長身の相手に対して田中選手は前進をして積極性とインパクトあるクオリティーブローで攻撃を仕掛ける。 相手選手はステップを活用して距離を図るも田中選手のプレッシャーとフェイントからの攻撃を捌けず、 田中選手の右ストレート主体の攻撃により主導権を握る。 中盤以降、時より田中選手は不意にパンチを貰う場面があるものの、上下のコンビネーション、カウンター攻撃により流れが変わることなくクオリティーブローを量産し、田中選手がラウンドを支配する。 2R 当初より1R同様の展開になる。 ステップを活用してリングを大きく活用する相手選手に対してボディのコンビネーション攻撃を仕掛け、相手選手のステップを止めてパンチをまとめる。 中盤以降、細かいパンチを非弾する場面があるものの、相手選手は徐々に疲労が見えクリンチで凌ぐ場面が多くなる。 このラウンドもクオリティーと積極性で僅かに田中選手の支配したラウンドか 3R 展開的には前ラウンドと変化することのない立ち上がりとなる。 相手選手はステップとクリンチを巧みに活用して田中選手のクオリティーブローを回避しつつ下がりながらのパンチで対応する。 田中選手はパンチを非打する場面が多くなるも、 コンビネーション、特に右ストレート、カウンターによりクオリティーブローの質が高い。 僅かに田中選手のラウンドか WP負け 2-3 (28-29 28-29 29-28 29-28 28-29) 戦評:須佐 |
階級 | 氏名 | 試合結果 | 対戦相手国 | ||
女子LF級 | 岩田 吏加 | ● |
WP 0-5 |
○ | タ イ |
1R オーソドックスの長身の相手に対して岩田選手はステップを活用してヒット&アウェーで攻撃を仕掛け、主導権を握る。これに対して相手選手は前進し踏み込んでの右ストレートでクオリティーブローを取る展開に。相手のフックと岩田選手の右ストレートの相打ちになる場面が多くそのままゴングがなり、若干クオリティーブローの数で岩田選手が主導権を握ったラウンドに。 2R 当初より1R同様の展開になる。岩田選手はステップを活用してワンツー主体で攻撃するも、踏み込みが浅くクオリティーブローにつながりにくいのに対し、相手選手は前進して力みのない右ストレート、フックの見栄えの良いパンチを放つ。岩田選手は中盤以降、失速しステップが止まり被弾する場面が多くなる。 ラスト30秒以降もポイントを挽回することが出来ずラウンドを支配される。 3R 試合展開を変えたい岩田選手であるが、スタミナの消耗により、持ち味のステップが無くなり、相手選手の右ストレート、ボディのコンビネーションを被弾する場面が多くなる。ラスト30秒、岩田選手はラウンドを取りにいくも印象の良いパンチを打つことができず、相手選手にラウンドを支配された。 WP負け 0-5 (28-29が2人、27-30が2人) 戦評:須佐 |
8月23日
階級 | 氏名 | 試合結果 | 対戦相手国 | ||
男子LF級 | 政所 椋 | ● |
WP 0-5 |
○ | プエルトリコ |
1R 相手はオーソドックス。政所は開始と同時に左フック、右ストレートをヒットし幸先の良いスタートを切る。しかし、相手も早いステップを踏みながら長い左ジャブ、右ストレートを放ち主導権を渡さない。一進一退の攻防が続く中、政所は単発ではあるが相手をロープに追い込み右ストレートをヒットする。それに対し相手も政所の打ち終わりにコンビネーションブローをヒットさせる。やや相手のラウンドか。 2R 1R同様、相手は早いステップで政所の攻撃をかわしコンビネーションブローをヒットする。政所も負けじと前に出て左フック、右ストレートをヒットする。時折ロープに詰め連打するが中々有効打を奪えない。相手にやや疲れが見え、政所は更にプレスを強め攻撃するが、中々有効打を奪えない中ラウンド終了。互角のラウンド。 3R 政所は2Rの動きそのままに積極的に攻撃する。相手も変わらず必死にステップを踏みながら被弾を許さない。しかし、ラウンド中盤に差し掛かると疲れが見え、政所はチャンスとばかりにロープ、コーナーに追い込み連打し右ストレートをヒットする。相手も細かいコンビネーションブローで反撃するが、政所は被弾を許さない。政所が最後まで手を緩めず攻め続ける中、試合終了。政所のラウンドか。 結果、28-29が2人、27-30が3人と0-5のWP負けであった。南米選手独特のリズム、懐の深さで政所の攻撃を上手くかわされ的確なパンチをヒット出来なかった。しかし、政所は敗れはしたが、臆することなく攻撃を仕掛け素晴らしいボクシングをした。今後に繋がる試合内容であった。 戦評:小山田 |
階級 | 氏名 | 試合結果 | 対戦相手国 | ||
男子M級 | 須永 大護 | ○ |
WP 3-2 |
● | オーストラリア |
1R サウスポーの長身の相手に対して須永選手は距離を取って駆け引きからのワンツー、ワンボディー主体でポイントを量産して主導権を握る。 相手選手もステップを活用してからのワンツー、フックで応戦するも須永選手はギリギリでかわし、ほとんど被弾することなく終始ラウンドを支配。 2R 開始当初、相手が前に出て距離を潰してワンツー、ジャブボディーで攻撃するも須永選手は避けながら右ストレートのカウンターやボディーの反撃で主導権を取らせない。 中盤以降も、須永選手のノーモーションのワンツー、右のカウンターの攻撃により印象が良い。 終始、須永選手はラウンドを支配。 3R 2Rに引き続き試合展開は変化することなく終始、須永選手はパンチを貰わずにノーモーションの攻撃により主導権を取る。 相手の選手のパンチをほとんど被弾することなく試合終了のゴング。 総括 相手選手のパンチをほぼ被弾することなく終了し、フルマークかと思われた試合であったが、何故か判定はスプリットであった。 WP勝ち 3-2 (30-27 29-28 29-28 27-30 28-29) |
8月24日
階級 | 氏名 | 試合結果 | 対戦相手国 | ||
男子L級 | 堤 龍之介 | ○ |
WP 3ー2 |
● | ポーランド |
1R 相手はオーソドックス。 開始と同時に駆け引きからのプレスを強め右フック、左ストレートをヒットし幸先の良いスタートを切る。相手も駆け引きからの早いステップを活用して左ジャブ、右ストレートを放つも主導権は堤選手。終盤も早いワンツーでポイントを獲得しクオリティーブローの数では堤が優勢か。 2R 1R同様、相手はステップを活用し遠距離からの攻撃に対して、堤選手はジャブや右ストレートのボディー攻撃で相手選手を後ろに下がらせ主導権を握る。時より相手選手の右ストレートを被弾する場面が散見されるも僅かに堤のラウンドか。 3R 堤選手は2Rに引き続き、積極的に前に出てプレスを掛ける。堤選手のワンツーや連打でロープ際に相手選手を詰めてボディー、ボディーからの上の返しでポイントを量産する。相手選手の足を止めさせ、ラウンド終了間際には左ボディーでノックダウンを奪い、終始ラウンドを支配したのは堤。 総括 堤選手は初めて拝見させていただいたが、好戦的であり、かつステップワークも活用できる万能な選手と感じた。試合内容としては、クオリティーブロー、積極性では相手選手よりも優勢と感じたもののジャッチは3-2のスプリット勝利であった。 結果 3-2WP勝ち 29-28 29-28 29-28 28-29 28-29 戦評:須佐 |
階級 | 氏名 | 試合結果 | 対戦相手国 | ||
男子W級 | 宇佐美 正 パトリック | ○ |
RSC 2R |
● | アルジェリア |
1R 相手はオーソドックス。開始と同時に駆け引きからのプレスを強め、ワンツーでポイントを獲得する。相手は宇佐美選手のパンチを警戒してか当初からホールドし、レフェリーに再三注意を受ける。引き続き下がる相手に対し宇佐美選手はワンツー、ボディー攻撃によりロープに追い込み、ボディー主体の攻撃でたたみかける。終盤、相手選手はホールドで減点され宇佐美選手優勢でラウンドを終了。 2R 1Rに引き続き、立ち上がりから宇佐美選手は積極的にプレスを掛け好戦的にクオリティーブローを獲得する。相手選手は、宇佐美選手のクリーンヒットで鼻血を出し一方的な試合展開になる。終盤、立て続けに宇佐美選手の右ストレート、ボディー攻撃でスタンディングダウンを2度奪い試合終了となった。 総括 試合の組み合わせに恵まれており、多くの試合ができ経験を積むにはとても良い機会ではないか。試合内容としては、キレのあるパンチでとても印象の良い、クオリティーブローとして取りやすいパンチを放つ印象を受けた。ただ、どのパンチも距離が近いため、遠距離での戦い方を今後覚える必要がある。 結果 2R RSC勝ち 戦評:須佐 |
階級 | 氏名 | 試合結果 | 対戦相手国 | ||
男子M級 | 須永 大護 | ● |
WP 2-3 |
○ | メキシコ |
1R オーソドックス同士の対決。長身の相手に須永がリードを打ち込む。しかし、相手の懐が深く、クリーンヒットを奪えない。お互い離れた距離での攻撃で展開される。中盤に相手が長いリードと素早いコンビネーションを打ち込み、須永の顔面にヒットさせる。須永も右ストレートをカウンターでヒットさせる。決め手はなかったが、要所でしっかりと打ち込んでいた相手のラウンドになる。 2R 開始から1Rと違い積極的に須永が攻撃を仕掛ける。中盤までは、相手も須永の動きに対応していたが、徐々に疲れが見え始め、後退する場面が多くなる。須永が一層プレスを強め、ロープに追い込みクリーンヒットを奪う。相手は鼻血がでる。終盤には相手が崩れ落ちることもあり、須永優勢にラウンドが終わる。 3R 2Rの流れを断ち切らないように、ゴングと同時に須永が攻撃を仕掛ける。相手はところどころに攻撃をしてくるが、須永の力強い攻撃にコーナーに追い込まれる。また鼻血がでて、ストップがかかる。終盤お互いに最後の力を振り絞り、足を止めて撃ち合いになり、攻防一体の展開になり、ラウンドが終了する。常に攻撃を仕掛けていた須永のラウンドになる。 2-3WP負け(29-28 29-28 29-28 28-29 28-29) 2R以降は完璧に須永のラウンドだった。特に3Rに4人が須永につけているのにもかかわらず、アメリカがメキシコにつけていた。本当に納得のいかない負けになってしまったが、重量級にもかかわらず、力負けもせずに連闘で戦えたことは今後に期待がもてる。 戦評:川島 |
8月25日
階級 | 氏名 | 試合結果 | 対戦相手国 | ||
女子Fe級 | 入江 聖奈 | ○ |
WP 5-0 |
● | メキシコ |
1R 相手はサウスポー。入江は開始と同時にリズム良く左ジャブ、右ストレートをヒットし主導権を握る。相手は入江のパンチを警戒してか中々打ってこない中、入江は積極的に攻撃し続け左右ストレート、左フックを好打しポイントをピックアップ。全く相手のパンチを被弾することなくラウンド終了。入江のラウンド。 2R 入江は1R同様に攻撃の手を緩める事なく左右ストレートに左フック、右アッパーを交えポイントをピックアップしていく。完全に試合をコントロールしダウン寸前に追い込むが、中々決定打を奪えない。このラウンドも相手は攻撃の数が少なく、入江はほとんどパンチを被弾する事なくラウンド終了。入江のラウンド。 3R 最終ラウンドも入江は積極的に攻撃をしかけ、左右ストレート、左フック、右アッパーを好打する。ラウンド中盤に左右ストレート連打でスタンディングダウンを奪う。その後、攻撃し続けるが相手の粘りもありダウンを追加する事ができない。入江もさすがに攻め続けたことから、やや疲れが見え、相手の反撃を食らうも、最後まで攻め続け試合終了。 30-25が3人、30-26が2人の5-0WP勝ち。完勝であった。次戦はメダルをかけた戦いとなる。今回のように冷静に且つ積極的な戦いを期待したい。 戦評:小山田 |
8月26日
階級 | 氏名 | 試合結果 | 対戦相手国 | ||
男子L級 | 堤 龍之介 | ● |
WP 0-5 |
○ | タ イ |
1R 相手はオーソドックススタイル。お互いが遠距離での駆け引きからの立ち上がり。 突破口を開いたのは堤選手。ワンツーフックでパンチをヒットさせ主導権を獲得しようとしたが、相手選手もワンボディー主体の攻撃を組み立て、直ぐに主導権を獲得する。 特に真っ直ぐ伸びる右ストレートボディーは強烈かつ見栄えがとても良い。堤選手を下がらせ、プレスを強める。 相手選手のラウンド 2R 開始当初から堤選手はプレスを掛けるも相手選手のボディーが強烈で下がらせられる。 堤選手のワンツーが当たるも相手選手は直ぐに建て直してカウンターで応戦して顔をはね上げさせられる。距離を縮めたい堤選手だが右カウンターやボディー、ステップワークにより、なかなかクオリティーブローが取れないままゴング。 3R 2Rに引き続き堤選手は相手選手に素早いワンツー、フックで前進するも力みがまだ取れず身体が開き、逆にカウンター攻撃により被弾する。時より相手選手をロープに積めるもクリーンヒットがなかなか取ることができない。そんな中お互いが疲労が少しみえるようになりクリンチワークが多くなる。 ポイントを思うように取れずそのままゴング 結果、27-30が2人、26-30が2人、25-30が1人、0-5のWP負けであった。 総括 相手選手は試合慣れをしておりかつ強烈なパンチ、匠なフットワーク等、レベルが高い選手であった。しかしながら堤選手も強敵相手に怯むことなく前にでる気迫を感じた。今後に期待。 戦評:須佐 |
階級 | 氏名 | 試合結果 | 対戦相手国 | ||
男子W級 | 宇佐美 正 パトリック | ○ |
WP 3-1 |
● | ウズベキスタン |
1R 相手はオーソドックス。宇佐美は開始早々、左ジャブを放ちリズムを掴む。相手はフィジカルが強く左右フックを放ち強引に攻めてくる。宇佐美は相手の強引な攻撃をステップワークを使い被弾を許さない。相手の出鼻に右ストレートをヒットしラウンドを支配。宇佐美のラウンド。 2R 宇佐美は変わらずステップワークを駆使し相手の強引な攻撃を交わし、落ち着いて対処する。相手も疲れが見え、ホールド、プッシュが多くなり注意が入る。宇佐美は接近戦からの離れ際に右ストレートをヒットしラウンドを支配。更に相手が前に出てもつれ合い宇佐美が投げられスリップ。ここで相手にワーニング。ラウンド終盤は強いフィジカルを生かし相手が前に出て来るが、宇佐美は冷静に対処し出鼻に右ストレートをヒットする。宇佐美のラウンド。 3R 最終ラウンドも2R同様に相手が前に出てくる。宇佐美は左ジャブ、右ストレートで迎え撃つ。接近戦になると細かい連打、サイドステップから左右フック、右ストレートを好打する。しかし、フィジカルが強い相手に対し中々見栄え良くパンチをヒット出来ない。一進一退の攻防が続く中、最後まで宇佐美は冷静に対処し、試合終了。 29-27が2人、27-29、28-28、30-26、3-1WP勝ち。メダルを確定させた。宇佐美は冷静に相手の出方に対応し、常に自分のリズムで試合を進めた。 戦評:小山田 |
階級 | 氏名 | 試合結果 | 対戦相手国 | ||
女子F級 | 木下 鈴花 | ● |
WP 0-5 |
○ | アメリカ |
1R 相手はオーソドックススタイルだが時折サウスポーにスイッチし攻撃を仕掛けてくる。木下は開始と同時に攻撃を仕掛け、右ジャブから左ストレートをヒットし幸先の良いスタートを切る。相手はさほどスピードもなく手数も少ない。中盤から終盤にかけても木下は積極的に攻撃を仕掛け左ストレートをヒットしラウンドを支配する。木下のラウンド。 2R 木下は1R同様に積極的に攻撃を仕掛ける。しかし、1Rを落としたとみた相手はプレスをかけ接近戦から回転の早いコンビネーションブローで攻撃してくる。ここで木下は足を止め打ち合い、パンチを被弾し顔が上がりポイントを奪われる。その後、一進一退の攻防が続きラウンド終了。相手のラウンドか。 3R 木下は変わらず積極的に攻撃を仕掛ける。ロングレンジ、ミドルレンジでは木下の左ストレートが再三ヒットするが、ショートレンジになると相手が上手でコンビネーションブローにより、パンチを被弾してしまう。木下は足を使いたいところだったが、相手のショートレンジに付き合ってしまう。しかし、終盤に相手も疲れが見え、下がったところに木下の左ストレートが立て続けにヒット。これに乗じて木下は攻撃の手を休めず前に出るが、逆に相手の早いコンビネーションブローを被弾してしまう。お互い死力を振り絞り最後まで手を出し続け、試合終了。 結果、28-29、0-5のWP負けであった。最終ラウンド残り約15秒での打ち合いが勝敗を分けたかのように感じた、非常に僅差の戦いであった。相手の試合運び、冷静さが一枚上手であったか。木下はパンチ、気持ちが強く、非常にポテンシャルの高い選手である。今回のこの負けを無駄にせず、今後に繋げてくれることを期待したい。 戦評:小山田 |
8月27日
階級 | 氏名 | 試合結果 | 対戦相手国 | ||
女子Fe級 | 入江 聖奈 | ○ |
WP 5-0 |
● | スロバキア |
1R 相手は長身のサウスポースタイル。開始当初、相手はステップを活用して距離を計るも、入江選手の素早いインステップからのワンツー、ワンツーフックが再三ヒットし主導権を獲得する。なおも相手選手はステップを活用して後退しながら左カウンター、フックで対抗する。時より被弾する場面を見せるが、入江選手も相手のパンチに対して右カウンター、左フックを被せロープに追い込む。 終始主導権を獲得した入江選手のラウンドか。 2R 引き続き1Rと同様な展開になる。入江選手は更にプレスを強め相手選手のスタミナを奪いながらワンツー、ツーフック等でポイントを奪う。相手選手に疲労が見え距離が近くなると供にホールドが多くなるが、入江選手は近距離ながらも離れ際に左フック、ボディーでポイントを獲得し印象が良い。終始、前でボクシングを展開した入江選手のラウンドか。 3R 相手選手はツーフックやワンツーを打つがクリンチワーク、頭から入江選手に突っ込む回数が多くなる。更に足が止まりはじめ、入江選手のワンツーやツーフックが綺麗に当たる。中盤以降、相手選手のフックでまわされる場面があり見栄えが悪い部分もあるが終始主導権を獲得した入江選手のラウンドか。 入江選手は昨年に引き続きメダルを確定した。今日までに3戦したが、最初の2戦は2R後半から急激に失速する場面があったが、今日の試合では最後まで戦えていた。次戦もスタミナ配分までしっかり調整して、より高いレベルで戦って貰いたい。 結果 29-28が4人、30-27が1人、5対0WP勝ち。 |
8月28日(準決勝)
階級 | 氏名 | 試合結果 | 対戦相手国 | ||
男子W級 | 宇佐美 正 パトリック | ● |
WP 1-4 |
○ | ロシア |
1R 相手は長身のオーソドックススタイル。 開始当初、相手選手はステップを活用して距離を計り、宇佐美選手は追う展開になり緊迫した駆け引きから始まる。突破口を形成したのは宇佐美選手。積極的にワンツー、ボディーでポイントを獲得。時より相手選手のタイミングをずらした右ストレート、スイッチした瞬間からのワンツーで被弾する場面があるも遠距離、接近戦でラウンドを支配した宇佐美選手か。 2R 当初1Rと同様な展開になるが、宇佐美選手は更にプレスを強め前に出るも、相手選手の不意の右ストレート、左フックを被弾すると同時に焦りが見えはじめ、パンチと一緒に身体ごと前に出て、更にまとめられたパンチを被弾してしまい印象が悪い。ポイントを奪われた宇佐美選手は作戦を変えて、時よりスイッチをして攻めるが相手の巧みな攻撃、クリンチワークにより上手くかわされ、なかなか相手を捕まえられないままゴング。相手選手のラウンドか。 3R 2Rと同様に相手選手はステップを上手く活用し右ストレート、スイッチからのジャブ、フック等でポイントを冷静に獲得する。宇佐美選手も反撃に出るが、焦りからか2R同様にパンチが大振りになりポイントを獲得しずらい展開に。引き続き宇佐美選手は、速いツーフックやワンツーを打つがクリンチワークで上手く回避される。最後までクリンチワーク、巧みなフェイントで支配した相手選手のラウンドか。 結果 28-29、27-30、28-29、28-29、29-28、1対4 WP負け 初出場の宇佐美選手は、日本史上初のユース世界選手権で銅メダルを獲得した。 しかしながら準決勝での宇佐美選手の試合は、1Rを優勢に進めたにも関わらず、2Rから焦り始め自分のボクシングスタイルで試合ができなくなるという精神面の弱さも持っており、今後は技術、体力面に加えて精神面も鍛えていく必要があるのではないか。 戦評:須佐 |
階級 | 氏名 | 試合結果 | 対戦相手国 | ||
女子Fe級 | 入江 聖奈 | ● |
WP 0-5 |
○ | クロアチア |
1R 相手は長身のオーソドックススタイル。 開始当初から相手選手はインステップからノーモーションの伸びのあるワンツーを主体に主導権を獲得する。入江選手も主導権を奪回するべく左ストレート、ワンツー、素早いコンビネーションで対応し相手をロープ際に追い込むシーンを作る。一進一退であるが、僅かにクオリティーブローの数、支配感で相手選手のラウンドか。 2R ラウンド開始当初、入江選手は前進して素早いステップから伸びる左ストレート、ワンツー、フックで主導権を奪回しようとする。相手選手も押し気味、スラッピングのパンチながら反撃してくる。後半、お互いが疲労で足が止まり、近距離で打ち合いクリンチワークが多くなる。入江選手は前で攻撃し、見栄えが良いコンビネーションでポイントを量産して山場を作る。クオリティーブローの数で入江選手のラウンドか。 3R 2Rと同様に一進一退の攻防の中で、流れは入江選手に傾いていた。しかし中盤、ロープ際でストップがかかり、相手選手がプッシュをしたので、それに対する注意かと思いきや、相手選手の押し気味の右ストレートで、まさかのスタンディングダウンを取られる。その後、再び足が止まり一進一退の打ち合いとなる中、入江が右ストレートを好打する。お互い疲労が見えるが、入江の右ストレートが更にヒットし相手がグラつく。ストップがかかり、入江がダウンを奪ったかに見えた。しかし、相打ちだったせいか、ここでも入江にスタンディングダウンが宣告されカウントが入る。相手選手は再度スタンディングダウンを奪ったことによって復活し、攻撃の手を緩めない。逆に入江も粘り強く左右ストレートをヒットする。一進一退の攻防が続く中、試合終了のゴング。僅かに相手選手のラウンドか。 結果、27-30が3人、28-29が2人の0-5WP負けであった。 入江選手は去年に引き続き、2回目のユース世界選手権大会で堂々の銅メダルを獲得した。決勝までの道のりは長いものではなく、準決勝の相手選手にはあと一歩のところであった。今後は、入江選手の持ち味である直線的な戦いだけでなく、サイドステップ等を最大限に活用し相手を引き込んでからの攻撃が必要ではないか。また、見栄えの良いパンチの追求をし、どんな距離や位置でも戦える選手に進化してもらいたい。エリートでの活躍を大いに期待する。 戦評:須佐 |
総合結果
銅メダル
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男子ウェルター級 | 宇佐美 正 パトリック | 興国高等学校 |
女子フェザー級 | 入江 聖奈 | 米子西高等学校 |