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Japan Boxing Federation
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2019アジア選手権大会(4/19試合結果・戦評)

更新日: 2019年4月20日
標記のことにつきまして,下記のとおり試合戦評及びお写真を梅下コーチ,伊田コーチよりいただきましたので,ご紹介いたします。
開催地タイ
場所バンコク

試合結果(4/19)

階級 氏 名 試合結果 対戦相手国
56kg級
(男子)
村田 昴
(自衛隊体育学校)
WP
5-0
ALWADI Mohammad Abdelaziz Mohamm
(ヨルダン)
Afternoon(16時~)Aリング6試合目
1R
お互いサウスポースタイル同士の一戦。村田はゴングと同時に前後の動きから右ストレートを中心に攻撃する。相手は村田の右ストレートに対してガードを固め反撃のチャンスをうかがう。相手も村田の右ストレートに対して相打ち,あるいは強引に前に出て反撃を試みるも,村田のフットワークと左右ストレートが的確で相手の顔面を捉える。さらに相手の強引な攻めに対しては,村田の強烈な右フックが相手の顎を捉え相手の足が止まる。ラウンド終盤の返しの右フックは非常に有効であった。村田のラウンド。
2R
相手はゴングと同時にラウンドを挽回しようと前に出てくる。しかし,村田は落ち着いて右ストレートと前後の動きで対応する。ラウンド中盤,相手が大振りになったところに,村田の左右ストレートからの右フックがもろに顔面を捉えた。ラウンド終盤に見せた村田の左ボディーストレートも強烈で相手にボクシングをさせない。村田のラウンド。
3R
相手はどうにか村田をコーナー,ロープに詰めポイントを挽回しようと強引に頭から突っ込んでくる。村田は相手の執拗な前進に対し,ロープを背負う場面もあったが,村田は冷静に左右に回り込み相手の追撃を許さない。最後は村田の左右ストレートから接近しての左右ボディーアッパー,また顔面への右フックがヒットしてゴング。相手の気持ちで負けない前進も素晴らしかったが,村田の終始足を使い有効打を打ち込む試合は目を見張るものであった。村田のラウンド。
日本人トップバッターとしてリングに上がった村田だが,プレッシャーに負けることなく,日本チームに幸先の良いスタートをもたらした。明日は,ドイツで開催された世界ボクシング選手権大会において,馬場選手に勝利している強敵であるが,本日の動きに加え,後半に絶対的自信を持っている村田の戦いに注目し,期待したい。
【3名が30対27,1名が30対26,30対25で村田unanimaous decision勝ち】
選評 梅下

 

階級 氏 名 試合結果 対戦相手国
60kg級
(男子)
成松 大介
(自衛隊体育学校)
RSC-I OCANA SUGAR RAY
(フィリピン)
Afternoon(16時~)Bリング9試合目
1R
相手は成松と同じサウスポースタイル。経験と実績で上回る成松は,ゴングと同時に落ち着いてプレッシャーを掛けて相手との間合いを取る。成松のプレッシャーに耐えれなくなった相手は,苦し紛れに右のストレートを出すが,冷静さとガードの高さ,更にスピードで上回る成松の右ストレートは有効で,1ランド開始早々から相手の顎にヒットし,相手の顔面を跳ね上げる。相手も臆することなくロープに詰まりながらも左右ストレートを強打してくる。成松はしっかりとしたブロッキングで相手のパンチを見切り,右フック,そして強烈な左ストレートを相手に打ち込む。相手のガードが上半身に集中した瞬間を見逃さず,成松の独特な角度とタイミングで放たれる右ボディーアッパーが相手の急所であるボディーを捉える。ここが勝負と弱気になった相手に対し,成松は得意なパターに持ち込み相手を圧倒する。ラウンド終盤,成松の渾身のパンチが相手の顔面を捉えた結果,相手の右目がカットした。ドクターチェックが入り,試合続行ができないとの判断で試合が終了した。成松のコレクトブローによるRSC-I勝ちであった。
長年トップに君臨しアジアのみならず,世界でも活躍する成松であるが,非常に落ち着いた試合は群を抜いている。日本代表キャプテンとして絶対的存在である成松には,次戦にて更なる飛躍と勝利を期待するとともに,今大会に参加している男女問わずすべての選手に,成松の頑張りに負けない戦いを期待したい。
【成松1R2:50 RSC-I勝ち】 次戦 TJK(タジキスタン)
戦評 梅下

 

階級 氏 名 試合結果 対戦相手国
57kg級
(女子)
入江 聖奈
(日本体育大学)
WP
3-2
PETECIO Nesthy
(フィリピン)
Evening(20時~)Aリング9試合目
1R
相手は日本人選手に負けたことのない強豪選手である。低めのオーソドックススタイルから入江にプレッシャーをかけてくるが、入江もまた冷静に判断し、適時ジャブを放ち、確実にポイントをあげていく。
中盤から、相手の突進力が増し、大振りなパンチに後退し、ロープ際まで追い込まれるシーンが目立つようになるが、被弾はしていない。全体的に距離を取り、ジャブとワンツーで主導権を支配していたのは入江か。
2R
ゴングとともに猛ダッシュをかけてくる相手を、入江はさばききれず打ち込まれるシーンが目立ち始める。
それでも、入江は態勢を立て直し、ジャブとカウンターで応戦するも、相手がサウスポー、オーソドックスとスウィッチを繰り返すので、なかなか距離感が掴めず、クリンチが多くなる。
中盤、一進一退の攻防が繰り返されるが、相手の強烈なボディが入江に数発入り、徐々に押し込まれるシーンが出てくる。
ボディが効いているようにも見えるが、入江の足は止まらず、ワンツーを相手のブロックの上から叩き込み、五分の勝負に持ち込んだ。入江の戦闘能力の高さが見受けられた。
3R
最終ラウンド、相手は大振りな左右フックで猛攻を仕掛けてくる。
対して入江も足を使ってヒットアンドウエイを繰り返し、双方死力を尽くした戦いとなる。
お互い手数は出ているも決定打に欠け、もつれ合うシーンが多くなるが、それでも2人の手数は止まらない。
ラウンドを通して、相手はビッグパンチで攻勢をかけ、入江は下がりながらコツコツとジャブ・ワンツーを当てる戦いとなり、評価が分かれるラウンドである。
結果
27対30
28対29
30対27
30対27
29対28
3対2のポイント勝ちを収めた。
ユース時代、世界ユース大会で2度の銅メダル、アジアユース大会でも銅メダルと活躍した彼女が、シニア国際大会デビュー戦を強豪を相手に堂々たる戦いぶりで勝利を収めたことは、今後 大きく期待を持てる選手であり、今大会もメダルを期待したい。
次戦はTHA(タイ)
戦評  伊田武志

 

添付動画

4/19 Aリング(Afternoon 16:00~・Evening 20:00~)
4/19 Bリング(Session①16:00~・Session②20:00~)

添付画像

村田昴選手
村田昴選手
成松大介選手
成松大介選手
入江聖奈選手
入江聖奈選手

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