標記のことにつきまして,下記のとおり試合戦評を梅下新介コーチ,伊田コーチ,平野コーチ,よりいただきましたので,ご紹介いたします。
階級 | 氏 名 | 試合結果 | 対戦相手国 | ||
57kg級 (女子) |
入江 聖奈 (日本体育大学) |
● | WP 0-5 |
○ | TECHASUEP Nilawan (タイ) |
4/22 Afternoon Aリング6試合目 | |||||
1R 相手は長身のオーソドックススタイル。開始早々に相手の長いジャブを入江は顔にもらってしまい、その後も、長いジャブを上手く避けることが出来ず、ペースを握られてしまう。中盤から、ペースを取り戻すために入江は強引に前に出るが、単発を打って、次のパンチにつなげる前に、クリンチで塞がれてしまう。 入江の良いところが全く出ないラウンドである。2R 序盤から入江は前に前に出て、攻撃を開始。相手は下がりながらジャブ・ワンツーで応戦。入江は相手をロープまで詰めるが、そこからがクリンチで逃げられ、続かない。後半、入江は、距離を掴んだのか、踏み込んで、かわして、カウンターを決めるも、決定打にはならない。ガードの上からではあるが、手数の多い相手の印象が良いラウンドとなった。3R お互い、スタミナを無くしたのか、もつれ合うシーンが多くなる。入江は、長身の相手に覆いかぶされ、益々、スタミナを無くす。レフリーが両者に再三注意を与えるが、相手は更に抱きついて、ついに、相手に減点1が与えられる。終盤はお互いワンツーの打ち合いだが、リーチの長い相手が優勢に見えた。結果 5対0のポイント負け入江にとって4大会連続メダルのかかった大事な試合であったが、惜しくも敗戦となった。しかしながら、エリートデビュー国際大会をベスト8の結果を残せたことでポテンシャルの高さを証明した。今後の活躍を期待したい。 戦評 伊田武志 |
階級 | 氏 名 | 試合結果 | 対戦相手国 | ||
69kg級 (女子) |
菊池 真琴 (敬和会) |
● | WP 0-5 |
○ | YUNUSOVA Shakhnoza (ウズベキスタン) |
4/22 Afternoon Bリング7試合目 | |||||
1R 立ち上がり相手と上手く距離を取りながらワンツー、左ストレートを打ち込んでいく。序盤、相手の左ストレートをもらってしまう場面があったが、その後は相手の攻撃を上手く見切りながら距離をキープ。時折いきなりの左ストレートを打つが少し距離が足りない。受け身にまわったラウンドとなってしまう。2R 菊池は戦術を切替え、ラウンド開始早々から打ち合いに前に出る。単発ではあるが、左ストレート、右フックをしっかりとヒットさせ、菊池はリズムにのってくる。更にプレスを強め、力強いツーフックをヒットさせるが、相手の大きい左フックももらってしまう。ラスト10秒お互いの激しい打ち合いでラウンド終了。3R ラストラウンド、菊池は序盤から前に出ると予想していたが、冷静にも距離を取りながら右ストレートをヒットさせる。いいリズムから思いきった右フックを打ち込みにいくが空を切る。中盤から勝負を賭けに行き前に出るが、相手のワンツーストレートを合わせられてしまう。最後まではっきとした、ヒットを奪うことができず、5-0WPで敗退となった。戦評 平野 |
階級 | 氏 名 | 試合結果 | 対戦相手国 | ||
52kg級 (男子) |
柏崎 刀翔 (福井県スポーツ協会) |
○ | WP 4-1 |
– | TABAMO MARVIN (フィリピン) |
4/22 Evening Aリング2試合目 | |||||
1R お互いオーソドックススタイル。ラウンド開始早々,両者激しいパンチの交換,しかしお互い有効打なし。30秒過ぎ,柏崎は,相手の前進に対して左ストレートを強打する。そして相手の足が止まった瞬間に右ストレートをヒットさせる。その後,両者前の手のフェイントや足を使っての牽制が続く。緊張感の中,時間が経過するも,ラスト1分,お互いの放った右ストレートが相打ちとなる。柏崎はここが勝負とパンチの交換の後,バックステップからの左右ストレートでジャッジに印象付ける。ラウンド終盤に放った足のともなったワンツーの出入りでラウンドを死守。柏崎のラウンド。2R 相手は柏崎の左ストレートを警戒するが,相手の踏み込みのスピードが増す。柏崎は1ラウンド同様に左ストレートで相手を止めようとするが,相手の気持ちが勝り,相手の右ストレートを2発立て続けにもらってしまう。柏崎も被弾を挽回しようと負けじに左右ストレート,更に上下へのコンビネーションで相手を攻め込む。しかし,気持ちの焦りもあり,上体と下半身がバラバラになり有効だが奪えず苦しい展開が続く。ラスト1分を切ってお互いさらにパンチの交換が激しくなる。しかし,ラウンドの最後までお互い有効だがないままゴング。このラウンドの採点は,相手の右ストレートの的確さか,柏崎の積極的に前に出ながら繰り出したパンチかで別れた。採点が非常に難しいラウンドであった。このラウンド3-2で柏崎が死守。3R 柏崎は,3ラウンド目が勝負とゴングとともに勝負を掛けて前に出る。2ラウンド後半の上体と下半身のばらつきを修正した柏崎は,ガードを固め落ち着いて,左ボディーアッパー,右フック,さらに左フックを打ち込みヒットを続ける。最終ラウンドの開始早々の強気の攻撃は非常に有効であった。ラウンド中盤から終盤にかけては,柏崎の勝負に対する執念が相手の気力を上回った。最後の最後まで苦しい展開が続く中,柏崎は気持ちを切らすことなく,パンチ打ち続けて終了のゴング。このラウンドも柏崎が3-2で死守。【30-27が2者、29-28 1者、28-29で相手 柏崎4-1のポイント勝ち】銅メダル以上確定。25日準決勝,相手は韓国選手。 戦評 梅下新介 |