AIBA(国際ボクシング協会)は先月下旬にドバイで開催されたアジア選手権の判定に対する「異議申し立てを深刻に受け止める」として、即時調査を開始する声明を発表しました。
この声明が発表された後日、意義を申し立てたインドでは、対象試合の男子52kg級・決勝戦について「中央アジア諸国の影響力が、採点に不公平を生じさせた可能性がある」との見解が報じられました。
AIBAにとって「判定への疑惑」は、IOC(国際オリンピック委員会)から解決を求められた重要課題の1つですが、2016年リオデジャネイロ・オリンピックでの不正は外部調査でも確認されませんでした。
一方で「能力的に不十分な採点があった」との誤審が認められたこともあり、4月の世界ユース選手権では、判定が3対2に割れた場合、「どんな誤審が勝敗にどう影響したか」を時間内に申し立てた場合、ジュリー(上級審判)は試合を再確認する『バウトレビュー方式』が再び設けられました。
また、アジア選手権前の審判委員会では、AIBAのウマル・クレムレフ会長は「審判が誤った判断で批判されることも避けなければならない」として、採点方法の改善を示唆しています。
今回のアジア選手権でも試合の各ジャッジはコンピューターでランダムに選ばれる新システムが導入されています。
(採点の公平性を改めて確認される対象試合)
判定ではリオ五輪・金メダリストのゾイロフ選手が東京五輪予選で敗れていたアミット選手にリベンジ勝利。