4月中旬に発表された2024年パリ・オリンピック大会の出場選手選考システムについて、IBA(国際ボクシング協会)は発表直後、一問一答を軸としたオンライン講習会を開き、システム構築の現状をより専門的に報告しました。
IBAはIOC(国際オリンピック委員会)と連携する形でこのシステムを決め、IOC理事会でも確認されたことを発表しました。計4段階の選考方法は[こちら]をご参照ください。
第1段階は「2023年に開催される男女それぞれの世界選手権で、女子81kgと同81kg超級以外の決勝進出者にオリンピック出場権を与える」となります。これについて講習会では、「体重が大きい方が有利」というボクシングの一般論の中、「例えば51kgの銅メダリストに48kgの金メダリストが勝てる確証がない」ということについて意見が求められ、IBA側は「脱水症状に近い選手と十分に水分補給された選手でどちらが有利という確証もない」と一般論の不確実性で返答しました。
第2段階以降で用いられる『オリンピック・ランキングリスト』は、柔道やテコンドーで用いられているランキング・システムから参考にしていくと回答されました。対象大会の成績次第でポイントを得られ、ランキングは来年から四半期ごとに更新されます。例えば女子選手が産休でポイント対象の大会に出られない場合も、現在10から15と想定される大会から選べます。基本的にポイント対象の大会は大陸選手権のメダル争いが理想であるとも述べられ、オリンピック出場を決めた選手も本選への訓練として大陸選手権などに参加できる予定です。
また、別大陸の国際大会でポイント獲得に遠征することや、階級を変更する場合はにはどう対応するのかなども質問があり、ランキングのポイント計算は未確定であるものの、基本的には遠征費の少ない国にも十分なチャンスを与えてほしいという要望が、講習会に出席した関係者からありました。
オリンピックのボクシング・トーナメントでは、1か国が複数の選手を1階級に出場させることはできません。そのため、複数の選手が出場権を獲得した国は、国内で代表選手を1名選ぶとされました。
それ以外にも質問は多角的に行われ、ボクシングの大会が少ない国ではキックボクシングや総合格闘技(MMA)など、別種目の試合に出て格闘技経験を積むケースがあることについて、その記録を把握するのは現状では難しいものの、健康上のリスクを抑えるために管理できることを目指していく意向も回答されました。
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