来月、クラクフ(ポーランド国内)で開催されるヨーロッパ競技大会では、主催のEOC(ヨーロッパ・オリンピック委員会)がロシアとベラルーシの選手の出場を制限する方向に進んでいたことに関して、IBA(国際ボクシング協会)のウマール・クレムリョフ会長は、ヨーロッパの各国ボクシング連盟に「自由に参加できる」との書簡を送ったことを報告しました。
この大会のボクシング競技は、2024年パリ・オリンピックの大陸予選も兼ねているため、IBAは、上記の2カ国の参加が現実的でない場合、予選を兼ねる方針を取り消すよう求めていました。
IOCは、2019年からIBAとの関係を凍結しており、パリ・オリンピックでも東京オリンピックと同様、ボクシング競技の管理をIBAに任せず、IOC独自のタスクフォースを設置して管理することを発表しています。この関係悪化の中、IBAは競技役員の連絡先が「違法に取得された」と主張し、IOCに法的措置を通告し、IOCの主催大会に関与した役員に制裁を科すと警告していました。しかし、今回、ヨーロッパ競技大会で上記の2カ国の参加が認められたことで、IBAは「選手第一」を目指す理由から、IOCへの反抗的な姿勢を撤回しました。
また、IBAは「最も信頼できる審判員のデータベースを完成させている」と主張し、試合の判定が3対2で分かれた場合、2人のジャッジを追加して7人制にするなどの新しい採点システムも、EOCに提案したことを報告しました。