新型コロナウイルス禍により、外出自粛が求められたアスリートたちが取り組んでいるのは「自宅トレーニング」とも限らないようです。例えば、東京オリンピックのアジア・オセアニア予選で日本男子唯一の通過を決めた69kg級(ウェルター級)の岡澤セオン(鹿児島県体育協会)は、それ以前から自宅でのカレーづくりのレベルアップに励んでいました。これとボクシングには何か共通点があるのでしょうか?
以前に本連盟で行ったアンケートで、岡澤は好きな食べ物に「寿司」を挙げたものの、趣味は「カレーづくり」と答えていました。「寿司は素人に握れないだろうと思って、入門しやすそうだったカレーを選んだ」というのがきっかけだったと言うものの、いざ取り組んでみるとその奥深さに悪戦苦闘することも多いとか。最近では本格的なインドカレーをつくるために、ライスまでこだわっていました。
「ボクシングで練習日記をつける人は多いと思うんですけど、僕も日によってカレーにどんな味がしたか、レシピと発見を記録し続けています」(岡澤)
岡澤の手製カレー
そんなインドカレー修行で一つの転機だったのはアジア・オセアニア予選でした。岡澤を2回戦で破って通過を危うくさせたのは、インドの代表選手だったのです。「カレー愛が揺らいだ」というのは本当なのか、ここ2日間、岡澤が取り組んでいたのは手打ちラーメンづくりでした。
岡澤の手打ちラーメン
「ボクシングと料理で共通した僕のモットーは“楽しむこと”。楽しめばいつでもポジティブな発想がたくさん浮かんできます。楽しめなかったら最低限のこともできなくなる。だから延期されたオリンピックにも“我慢しただけ満足度の高いものを味わえる”とワクワクしながら練習に取り組んでいます」(岡澤)