IBA(国際ボクシング協会)は今月4日に臨時理事会を開き、IOC(国際オリンピック委員会)の勧告に従って、ロシアとベラルーシの選手のみならず、審判員を含むすべての役員が国際大会に出場することも停止すると決定しました。ただし、「組織的・法的な理由でこれが不可能な場合は、あくまで中立として参加することが許可される」としています。
もう一方でIBAは、これまでも難民認定された選手をFC(フェアチャンス)チームとしてサポートしてきた例を挙げ、ウクライナの選手を支援することも、理事会で合意されたと報告しました。
今回の決定で、6月にロシア国内で開催予定だったグローバルボクシングカップの開催は非現実的となり、ロシアとベラルーシの国内関係者は、5月6日から21日まで開催予定の女子世界選手権(イスタンブール大会)と、5月21日にから31日まで開催予定の男子ヨーロッパ選手権(エレバン大会)への参加は不可能になります。ロシアはそれぞれの前回大会で3個ずつ金メダルを獲得しました。
一連の「ウクライナ侵攻問題」を理由としたアスリート活動に及ぶ制裁は賛否を大きく分けており、EUBC(ヨーロッパ・ボクシング連盟)のフランコ・ファルシネッリ会長は、戦闘終了を願った一方で、国際大会への出場禁止を差別的方針と表現し、「世界中の現在や未来の紛争すべてにこれを適用させる必要があるかどうか」と一定の疑問を投げかけました。
IBA会長を務めるロシア人のウマル・クレムレフ氏