現在はプロボクシング界の
スター選手となったロマチェンコ
今からおよそ10年前、IOC(国際オリンピック委員会)からボクシング競技を委任されていたAIBA(国際ボクシング協会)は、ワシル・ロマチェンコ(ウクライナ)のようなスター選手の確保による資金繰りの向上を目的とした『WSB(ワールド・シリーズ・オブ・ボクシング)』と呼ばれるリーグ戦形式のプロボクシング・ビジネスをスタートさせました。それは現在のように、プロボクサーの参加が解禁される以前のこと。日本で“アマチュア”と呼ばれるボクサーたちが、ヘッドギアや上半身のユニフォームをまとわずに戦う光景はセンセーショナルでしたが、WSBは、昨年9月に閉幕した第8季以降、開催が停まっています。
キューバやカザフスタンなど
旧共産圏で人気が根付いていたWSB
とはいえ、独自のボクシング・イベントを立ちあげる情熱は、今もボクシング界でしばしば芽生えています。
今月2日からインドでは、デリー、グワーハーティー、ルディアナの3都市の会場を用いて第1回インド・ボクシングリーグ『ビッグバウト』が開幕しました。
インド版WSBとも呼ばれる
ビッグバウトの様子
日本のアマチュアボクシング・ルールと同様、上半身のユニフォームもありますが、その色はコーナーや国旗の色とは無関係で、布地にはチームや大会、スポンサーのロゴが見られます。また、出場選手には過去の実績に応じたファイトマネーと、外国人であれば渡航費も支払われています。
もう一つの特徴は女子戦で、女子ボクシング界最大の大物であるマングテ・メアリーコム(インド)ら、インドが世界に誇る女子選手たちも参加中です。閉幕は今月21日までの短期集中決戦。以前のオリンピック・ボクシングでは、AIBAにより世界中のルール統一が目指されていましたが、同協会の存在感が薄れた昨今、国によってユニークな発想が生まれているのが現状です。そして、それをインターネットで気軽にチェックできるのが、現代社会と言えます。(大会初日の中継)(2日目)